論 考

宴の後が見えるような?

 あのお宅は「出入り」が多い――といえば千客万来で、いかにも活気があって心ウキウキするみたいだ。ところで「出入り」には、もめごと、悶着、喧嘩の意味もある。

 熱烈支持者があり、ボロクソ意見もありのトランプ氏は、賛否両論の賑わいで千客万来といえなくもないけれど、メンバーに入れたかと思えば、直ぐに出すというパターンが、このところ目立っている。

 スカムラチが報道官に入り、スパイサー報道官をおっぽり出す。プリーバス大統領首席補佐官を追い出して、ケリーを後任に据える。ケリーが初仕事でスカムラチを放り出す。

安保担当のマクマスター大統領補佐官、国務長官ティラーソンの去就も暗雲漂う。この2人が出れば、トランプ氏と共和党の関係は崩壊する。

いわゆるロシアゲートでは、トランプ氏は、揉み手で招いたセッションズ司法長官に辞めろと罵声を浴びせ、モラー特別捜査官を攻撃する。

ホワイトハウスを整頓するという意義において、ケリー氏がスカムラチを追い出したことに対する評価は高い。

はっきりしていることは、この調子で4年間続けば、アメリカ発のカタストロフィが世界を襲う危険性は極めて高い。なにしろ、賑やか出入りの張本人はトランプ氏にあるからだ。

というわけで、論理的にはケリー氏の任務はトランプ氏の性根のダメなところを追い出し、必要なものを入れることにあるのだが——はてさて、ご乱心の王様が果たして聞き入れるでしょうか?