論 考

独立国の気概がありますか

 沖縄問題の新聞論調を読んでいると、大きな錯覚を起こしている。

 岸田氏は昨日の復帰50周年集会で、「戦争によって失われた領土を外交交渉で回復したことは史上稀で、日米両国の友好と信頼によって可能になった」と語ったが、これは建前である。名目回復、中身変わらずが正しい。

 基地を沖縄に集中し、沖縄は「復帰50年、平和の島にならず」と怒っている。これ、すべての日本人が、「独立70年、平和の国にならず」と怒るべきなのだ。事実を、見て見ぬふりをするのは、独立国の1人として恥ずべき態度である。これをやれば、ウクライナは戦禍にまみえなかっただろう。

 岸田氏はさらに、「基地負担を重く受け止め軽減に全力で取り組む」と語ったが、これ、「日本が、米国の軍事負担を重く受け止め」なければならない。

 米国が沖縄を軽視していることは、日本が軽視されているのと等しい。日米同盟は対等ではない。政治家諸君はどなたさまも、不平等条約改正に立った明治の政治家を思い出さねばいけない。

 くり返す、沖縄が気の毒だというのはペテンである。日本が米国の属国化している。国粋主義者諸君の内弁慶には呆れて言葉がない。