論 考

先ず、戦争を停止させねば

 ロシアがウクライナでジェノサイド(集団殺戮)をおこなっているとの批判が巻き起こっている。

 バイデン氏は、戦争犯罪裁判を呼びかけ、追加制裁を検討中だという。戦争している最中に戦争犯罪裁判ができるものか。

 「平和の使徒」たるバイデン氏としては、なんとしても殺傷と破壊を目的とする戦争を停止させるために発言し行動するのが筋道である。

 プーチンは以前、アメリカの狙いはロシアの絶滅だと語った。この認識は方向性として外れていない。第二次世界大戦後、アメリカは東西冷戦を主導したが、狙いは、ソ連の抑え込みにあり、ソ連崩壊後もロシアに対する態度は変わっていないからだ。

 しかし、プーチンがそれを承知していてウクライナ侵攻を決定したのである。かりにウクライナを全面降伏させたとしても、ならば、アメリカは尚更ロシアに対して強硬な態度を取るだろう。

 理屈で考えれば、ロシアがアメリカの意図を全面的に潰すまで戦争するしかない。そんなバカなことが可能でないことも知っているはずだ。

 このままでは、プーチンは自分が滅びるまで戦争を継続するしかない。

 バイデン氏は、この際、とことんプーチン・ロシアを追いつめようとしているように見える。本当に追い詰めれば、プーチンが自暴自棄の手段にでると考えねばならない。

 プーチンが始めた戦争だが、本人が自発的に止められるない。止めさせるための工夫をしなければならない。そうでなければ、結果的に米欧・NATOがジェノサイドに加担することになる。