論 考

プーチンは敗北した

 ウクライナでの戦闘は膠着状態なのか、ロシア軍が早期にキエフを落す戦略は目論見が外れて、無差別攻撃の事態が発生している。

 ICC(国際刑事裁判所)の検察部門がウクライナで、戦争犯罪の証拠収集を開始した。東部ドンバス地域の、親ロシア独立共和国支援が目的だったが、戦端はどんどん拡大して、市民の被害は膨大だ。

 国外へウクライナ市民330万人が避難したこと自体、隠しようもない戦争犯罪の証拠である。プーチンが戦争犯罪者である。

 プーチンが戦争を始めた。圧倒的軍事力をもつロシア軍が戦争において優勢なのは当然だが、戦争の敗北もまた事実である。

 なにしろ、すでにプーチンは戦争を止められない。この戦争で得られるものもない。つまり、政治的敗北である。

 皮肉にも、プーチンを救うのは、ゼレンスキー氏だ。彼は、停戦を呼びかけている。プーチンは自身にとって、最悪の決断を迫られている。