論 考

プーチン氏をどうして止めるか

 キエフ南東550キロメートルにある、ウクライナ最大のザポリージャ原発が砲撃されて火災が発生したという報道には、誰もが驚いた。

 ロシア戦車がバリケードを破って侵入し、火災が発生したが、訓練棟や研究施設で、放射線量の変化はないと続報があった。原発はロシア軍制圧下にあるが、正常に運転されているという。

 国連緊急安保理事会が開催された。原発攻撃を非難されたロシア国連大使は、ウクライナの工作員が付け火したと抗弁した。

 戦争のドサクサだから、なにが本当なのか、容易にわからない。ロシア国内では国営テレビが、ウクライナの民間人は攻撃されず、死者もないと放映している。

 プーチン氏は、国内の言論統制をますます厳しくしており、フェイスブック利用を遮断し、BBCはロシア国内での取材活動を停止せざるを得ない。

 どのようにしてプーチン氏を止められるか。3月2日に、マクロン氏がテレビ・ラジオで、「ロシアが攻撃者だ」と演説した。プーチン氏から電話会談の申し入れがあり、3日の会談で、プーチン氏は、冷戦後にロシアが領土を失ったことについて力説した。これが、プーチン戦争の大義である。

 ウクライナとロシアの2国間で停戦交渉するために、目下、プーチン氏は侵攻を止める気はないだろう。ウクライナの人々がどこまで耐えられるか。プーチン氏を止める手立てがほしい。2国間交渉にしてはダメだ。