論 考

行き詰りの剣呑

 朝日新聞(2/18)に、国連グテーレス事務総長の寄稿が掲載された。

 コロナ対策を引き合いにして、グローバルな意思決定は手詰まり状態だと書いている。目下のウクライナ問題には一切触れていないが、氏の見解は同じだろう。要するに、政治家は国内での立場ばかりに専心して、グローバルではないと言うのである。

 17日バイデン氏は、「ロシアのウクライナ侵攻は数日中に起こる」と発言した。国連の会合に出席したブリンケン氏も同様の発言をした。

 ウクライナ東部では、かなりの砲撃があったようで、ウクライナ政府軍も親ロシア武力勢力も、お互いに相手側がやったと非難している。

 戦争は、まさに1発の銃弾から始まる。

 ロシアも、対するアメリカ・NATOも、具体的に論議するテーブルに就かなければ、問題解決の文脈にならない。

 アメリカは一貫して、ロシアがウクライナ侵攻の口実を作ろうとしていると批判する。それが本当にわかっているのであれば、なおさら、ただちに双方が交渉のテーブルに就くべきだろう。

 それなくして、不信感ばかり煽り立てるのであれば、いざ戦争となった場合、かりに悪しき意図がないにしても、アメリカの挑発が責任なしとはならない。