論 考

オミクロン対策の全体像

 オミクロン感染拡大で、ずるずると自宅療養者対策が方針になりそうだ。医療体制が対応できないとなれば、いかに理屈をこねても、至れり尽くせりで面倒見てもらえないのだから仕方がない。

 しかし、現時点でこれしかないとするのであれば、まず、だれもが全体の方針を共有するように明快な説明が不可欠である。

 いわゆる司令塔が、その役割を果たすのだが、政府・議会・専門家・自治体の方針がバラバラで、司令塔不在になっている。

 岸田氏は先手必勝を掲げたのだが、目下は、明確な方針を欠いている。議会では予算委員会が開催されている。全体の流れをすっきりさせる論議をして交通整理をしなければならない。

 社会全体に、なにがなんだかわからないで不安感が支配してしまうと、人々の活気が失われる。

 IMFは25日、2020年のGDP予測を公表した。世界全体では4.4%と、以前より少し下げた。日本は3.3%の予測だが、人々の活気が失われたのでは、達成は困難だ。

 早急にオミクロン対策の全体像をまとめて、社会的合意を形成しなければならない。