論 考

いずれも国内政治が混沌

 バイデン氏の支持率が43%、米軍アフガニスタン撤退の不手際から、一貫して低迷している。インフレも、コロナ問題もある。加えて、民主党内が一枚岩といかないのが最大の悩みだろう。

 ジョンソン氏は、昨年のコロナ厳戒態勢中のパーティが暴露されて、保守党内部でも辞任要求が出ている。起死回生を狙ったのか、コロナがピークを越えたとして、感染拡大防止対策を一挙に緩めようとしている。

 ジョンソン氏の人気は、首相就任以来一貫して低下している。こちらは、人柄そのものが忌避されているので、本当にピークを越えたのでなければ、内閣瓦解へ走る可能性が高い。

 こちら岸田氏は、聞く耳を売り込んだものの、聞くだけだという批判が高まってきた。コロナ対策では、専門家が人々の良識に依拠する戦略を主張している。菅時代とは逆である。

 コロナ取り組みを検証総括して指令塔を設置する時期は6月で、もっと早くやるべきだという野党の意見が出されているが、応ずる様子ではない。たしかに拙速はまずいが、いま、どのような取り組みをおこなっているのか程度は、答弁するべきだ。

 米・英・日ともに、人々の期待に沿う内政がおこなわれていない。外国の批判に熱を上げる前に、国内政治を整頓する努力が第一に必要だ。