論 考

バイデン政権のつまづき

 25日、ロシアがウクライナ国境で展開していた1万人超の演習終了を発表した。同地にはロシア軍10万人超が駐留しているらしい。

 1月に米ロ交渉がおこなわれる予定だが、ウクライナは、とりあえず喫緊の危機は去ったと発表した。

 プーチン戦略は、アメリカやNATOを揺さぶる狙いだろう。

 バイデン氏のアメリカ国家安全保障チームが発表されたとき、非常に優秀なチームだという内外の評判が高かったが、アフガニスタン撤退で、すっかり評価を下げた。中心スタッフが、優秀ではあるが実地体験がなく、バイデン氏に対するイエスマン揃いだとも指摘されている。

 例の民主主義サミットも、焦点の定まらないもので、看板は格調高いが、民主主義と専制主義という対立概念を打ち立てれば、世界は2分される。まして、専制主義と批判された国々が、はいそうですかと「改心」するわけもない。

 バイデン氏の国内支持率は38%、副大統領のハリス氏は28%、加えて民主党内部の足並みが乱れている。

 アメリカ一極支配をめざしジタバタすればするほど、アメリカの政策への内外の信頼感が低下する。バイデン政権には、慎重に行動してもらいたい。