論 考

先が思いやられる思いやり予算

 2022年度から5年間、在日米軍駐留費の日本側負担を、いままでの2017億円/年から2,110億円/年とすることで決着した。

 かつての駐留米軍「お犬さま」(番犬)説などはとんでもないらしく、最近は、守ってやっているのだからもっとお出し、という雰囲気なのか、新聞によっては、たくさん取られなくてよかったと書く。

 思いやり予算と称していたが、今後は、「同盟強靭化予算」というそうだ。下世話では、みかじめ料をお花代、あるいはお布施と呼ぶようなものか。

 わが政治家・官僚諸君は太っ腹だ。目下の経済・生活状態をみていると、お付き合い費や見栄的出費をできるだけ抑えるのが社会通念だが、なんとも気前がよろしい。

 戦闘機から燃料タンクを放棄したり、汚染水を勝手に排水したり、コロナ感染があってもきちん報告しなかったりで、米軍は治外法権扱いだ。——日本側は、思いやりと考えているにしても、相手の態度は、出して当然で、出してもらってありがとうの気配が感じられない。

 政府同士の同盟強靭だけではいかん。国民が納得できる予算でなければならない。わたしは、到底納得できない。