論 考

会話復活のチャンス

 コロナ騒動の渦中で、誰もが不都合な働き方を強いられたとは思わないが、大方の人が、以前のように、同僚に話しかけられない不便さを感じたのではないか。

 これは、案外気づきのチャンスである。というのは、わたしが知る限り職場のコミュニケーションがよろしくない。気軽な会話が少ない。生来無口の人はもちろんおられるけれども、人の輪の中にいれば、口数が少なくても会話をしているわけだ。

一般論でいえば、職場で会話が少ないのは、なんらかの理由がある。意識調査では本当のところはわからない。上司が懇談の場を設けても肩肘張ってしまう。はっきりしているのは、同僚同士の自然な会話が成り立たないのに、上司に本音を語るわけがない。

 コロナ騒動で、孤立的な働き方が多かったから、皆さんは、無意識にしても会話を求めている。いまは会話を復活させるチャンスである。どんな話材でもよろしい。身近な人との会話を試みよう。

 理屈をいえば、集団があるからコミュニケーションが必要なのではない。コミュケーションが成立するから集団活動が発生するのだ。これを忘れないようにしたい。