論 考

バカバカしい世界

 世界のコロナ感染は2億6千万人、死亡は520万人を超えた。

 たとえば、アメリカは感染4800万人超・死亡78万人超である。ワクチン接種のスピードアップで抑え込む作戦だったが、どうも思わしくない。

 世界各国、いずこの国でも対策関係者が日夜分かたず懸命の努力をしておられる。それは理解した上で、極めて単純な気持ちを述べたい。

 他でもない、目下は米中「新冷戦」で世界が動揺しているというのが大方の見方である。その帰趨を危惧する論調が多いのもわかる。

 新冷戦の対応としては、アメリカを中心とする国々は、いかにして中国包囲網を形成して、抑え込むかに関心が強い。軍備の貿易はおおいに盛んだ。

 それぞれ自国の平和・安定的生活を維持するために当然の政策だというのであるが、これは、当然ながらコロナ感染拡大防止にはなんの役にも立たない。

 ひごろの考え方の習慣を断ち切って考える。――軍事力強化の注ぎ込む膨大な人間的エネルギー、資源・エネルギー、資金、そして地球の持続可能性からすれば、まったく価値がないことに熱を上げている。

 コロナを抑え込むのは、もちろん緊急の課題だが、さらに、コロナからの教訓として、戦争準備でしかない軍事力戦略は、もう、このへんで転換したい。

 コロナと違って、こちらは、立派な人間同士がバカをやっている。これでは、hopless fool(救いようのない馬鹿)ではなかろうか。