論 考

金融市場動向

 米国FRB(連邦準備委員会)が、11月からテーパリング(金融緩和の縮小)を開始する。雇用と物価の動向を監視しながら、2022年中に完了させる。

 縮小ペースは100億ドル/月のペースである。うまくいけば来年7月には利上げに踏み切る。

 パンデミックと経済の舵取りを慎重におこなうとするが、目下、米国経済は急回復でインフレ率が高い。FRBは、一時的な要素(供給不足)だと付け加えている。

 10月に入ったころから、FRBの方針が取り沙汰されていた。当時の予想とほぼ重なる。財政出動を縮小するのは、できるだけ早いほうがよい。

 パンデミックで世界は2020年に総額10.4兆ドル(2019年は87,7兆ドル)、邦貨にすれば1,160兆円の経済対策をおこなった。これはGDPの12%である。

 世界の金融市場は21世紀に入ってバブルをますます深めている。中国の不動産・恒大の債務問題は、一時の関心が収まっているが、金融市場はちょっとしたきっかけで大変動を起こしかねない。

 ど素人にも、それなりに注目する必然性がある。