論 考

軍と軍拡が戦争を呼ぶ

 10月18日から23日にかけて、中ロの艦隊が津軽海峡から太平洋へ出て南下し、大隅海峡から九州南側を北上して、ざっと3,150kmの旅をしたらしい。中ロ合同巡視活動という。

 中ロがボランティアで日本列島周辺を巡視してくれた。大忙しの海保や自衛隊としては感謝することになるが、もちろん、中ロの対日デモンストレーションであるから、またまた威嚇ごっこに拍車がかかる。

 いずこの国も、自国の安全を守るためと称して軍備拡大に余念がない。軍備を整えれば、訓練して戦闘能力を涵養せねばならない。能力を養えば、関係国(敵視する相手も味方側も)に対してデモンストレーションで実力を誇示する。

 その一連の取り組み自体が、緊張を高めるわけで、お互いにますます角を突き合わせるというシナリオである。

 理論的には、軍備拡大は限りなく戦争に近づく。税金を取るのは軍備拡大のためだというが、むしろ、軍備拡大が税金を取るための方便に見える。

 安倍氏の地球儀を俯瞰する外交、積極的平和主義なるものは、いったい何だったのか!