論 考

悪魔! のような安倍・菅政権

 悪夢のような民主党政権と罵倒したのは安倍氏である。売り言葉に買い言葉でやりかえすならば、こうなる。

 したい放題・やりっ放しの自民党が、55年体制の始まりから、50年にわたって展開した放漫政治のツケ払いに、民主党が着手したが、直ちに片付くような問題ではない。政権運営が軌道に乗る前にムリが祟って下野した。

 たとえば、原発はトイレがないマンションといわれるが、最終処理まで検討せず突っ走ったのは自民党・政府である。福島原発の事故も、もし、非常用電源が高い位置にあったら、電源を失わずにすんだ。最初の設計のとき、うかうかと見逃したのは、これまた自民党・政府である。

 いわば悪魔の仕業があったから、後で悪夢を見る羽目になった。

 手柄はすべてわたし、失敗はすべて他人という幼児的思考パターンの安倍氏のツケを、こんどは岸田氏が償う役回りにある。

 読売は、さかんに具体的政策を論じ合えと主張する。それは当たり前なのだが、安倍・菅9年間のヒズミは大変なものだ。1人当りGDPは、2012年48,600ドルだったが、18年には39,300ドルに落とした。

 いまだアベノミクスという言葉遊びが成功したというなら、さらに経済を劣化させるのは必然のコースである。悪魔が相変わらず笛を吹いている。