論 考

水の流れは変わらず

 ノーサイドは試合終了であるが、自民党的には、さらに「なんでもあり」という含意もありそうだ。

 予想してはいたが、岸田氏の初仕事は実に面白みがない。岸田氏は業界陰口では、優柔不断、面白みのない奴というそうだが、なるほど当たりだ。

 党役員人事は、安倍・麻生・甘利3氏向け「文雄の恩返し」で、K3A体制。早くも「傀儡」という言葉が出た。

 しかし、岸田氏は意外と外柔内剛である。「他者(国民)の意見を聞くのが特技」だと自己宣伝するが、聞くのであって、期待に沿うようにやりますとは言っていない。メディアが総裁選で、ちらちら安倍・菅内閣の評価に水を向けても、まったくそれらしい応答はなかった。

 そのまとめの回答が党役員人事である。つまり、看板取り換え、中身変わらず。

 いずれにしても、政治家の言葉はただいまはバブル的に信頼が欠けている。有権者としては、具体的行動を1つひとつ見て、ばっちり対応するのみだ。