論 考

池袋交通事故と菅氏の共通点

 東京地裁は、池袋での乗用車暴走による殺傷事故の被告(90歳)に禁錮5年の判決を下した。検察求刑は禁錮7年であるが、やはり厳しい判決の印象であるし、世間の雰囲気は、厳しさゆえに支持が高いであろう。

 判決文を読むと厳しさの最大の理由は、乗用車に異常がないにもかかわらず、被告が一貫して、ブレーキが故障したという見解を変えなかった態度に、反省していないことが重たく見られたようだ。

 かりに本人が適切な行動をとったと確信していても、ブレーキに異常がなかったことが証明されたならば、自分の確信が誤りである。ところが、頑として見解を変えないのだから、反省なしと見られるのは必然である。

 話変わって、菅氏の党内人気が凋落の一途である。昨日は、二階氏と会談するというので、一時「辞任」説が流れた。二階氏によれば菅氏は意気軒高だったらしい。菅氏も対コロナで、ブレーキとアクセルを踏みちがえた。きちんと答弁しないことを追及されて、「私なりの言葉で答えている」と居直った。

 もちろん交通事故とは異なるが、被告と菅氏は、自分はまちがっていない、絶対正しいという共通点がある。

 一切自分の非を認めず突っ張るならば、ますます党内世論は離反するだろう。世間では、既に✕印が刻印されているのでありまして。