論 考

秩序構築が再建策

 カブール国際空港とホテルでのテロは、タリバンによるアフガニスタン政治を支援するものではないだろう。タリバンがISときっぱり手を切る状況を生み出すかどうかも、目下はわからない。

ISが悪漢として、タリバンに対する国際世論の同情の演出を狙った高等戦術とも考えにくい。

 テロリズムは、政治目的のために暴力あるいは、人々が暴力の脅威に怯えることを利用する政治的行為である。

 テロリズムの発現は、確たる政治的影響力がない場合が多い。言葉では支持者を獲得できないから、暴力に訴える。しかし、人々が暴力を恐れても、共感するわけではないから、テロ行為自体がますます政治的影響力を失わせる。

 その結果、テロ行為そのものが目的化する。テロ行為の成功自体が、少数派への道一目散となる。客観的には、自暴自棄である。

 ISが、アフガニスタンの新たな無秩序を願っていると考えれば、やはり、国連中心主義で、アフガニスタンの再建をめざすべきだ。