論 考

行政と市民は以心伝心

 昨28日は、全国で9,583人(前日7,629人)・東京で3,177人(前日2,848人)の感染増である。

 全国第1波ピークが20年4月11日・720人、第2波ピーク8月7日・1,607人、第3波ピーク21年1月8日・7,958人、第4波ピーク5月8日・7,232人なので、今回の9,583人はもっとも大きい数字だ。ピークなのかどうかは、まだわからない。

 後になるほど数字が大きくなるのは、無意識の慣れが作用しているだろう。

 官邸幹部は、「東京で2,500人まで大丈夫」と語り、菅氏は27日に、「人流は減少している、心配はない」と語ったが、いずれも根拠なき楽観説だ。さすがに28日はショックをうけたか、菅氏はノーコメントである。

 そもそも政治家は、感染拡大をコントロールしているのではなく、事態に合わせて適当にコメントしているに過ぎない。「行政と市民が認識を共有していない」というのが報道のコメントだが、実は、行政と市民は認識を共有している。行政の取り組みを眺めつつ、市民もしかるべく判断して行動しているわけだ。

 つまり、行政が、市民の予想を超える本格的対策を打ち出すときにこそ、市民の行動変容が起こる。行政、政治家も報道も、これをしっかり理解しておかねばならない。