論 考

コロナ対策でこそ各国の連帯を

 ここしばらく、東京の10万人当り感染者数をみると、――7月1日に26.31人、いわゆるステージ4の25人を超えた。6日には30.29人、14日には41.40人、17日には50.81人、21日には64.24人、25日には73.09人を記録した。25日は、全国の感染者数5,020人増加だ。

 かなり早いピッチで全国的に感染拡大している。

8月以降のワクチン接種が、いまだ心許ない。数字だけでは、人々の生活がどんな具合か容易に察せられないが、このまま推移すれば感染大爆発は避けられないのではないか。

 もやもやした気分で報道をチェックしていると、ロイターが、商業貨物船で働く船員の事情を報じた。国際海運会議所ICSによると、世界貿易の運搬に占める海運の割合は90%、石油・鉄鋼・食品・エレクトロニクス品などなど、あらゆる品物が船舶輸送されている。

 商業船員は170万人いる。大方が貨物船で輸送にかかわっているが、上陸拒否されて、洋上で待機する人々が相当数に上る。長い人は11カ月も下船できない。逆に下船したものの、今度は乗船できなくて、仕事に就けない人も多い。

 ついでにいえば、買い物に行かずともネットショッピングがあると思っているが、実はサプライチェーンも怪しいことになりつつある。

 コロナ騒動で従来の経済・生活の仕組みがいろいろ影響を受けている。なかなか報道ではわからないが、このような地味な問題を発掘して、世界各国が協力し合うことが必要だ。