論 考

文化的壁?

 全国のコロナ感染事情を見る。

 6月29日は感染増1,381人・退院増1,549人で退院のほうが多かった。30日に感染増1,821人・退院増1,703人で逆転、感染増が退院増を118人上回った。7月1日は、感染増1,754人・退院増1,712人で感染増が42人退院増を上回った。

 東京は、直近1週間の10万人当り感染者が、6月10日に20人を切ったが、22日に再び20人を超えて、7月1日は26.31人にまで増加した。なかなか減らない。

 欧州ではワクチン接種が進んだが、このところ感染拡大が続いている。人々の交流が増え、集会・旅行が増えた。社会的距離の軽視が原因らしい。

 もう1つ目立つのは、欧米では、ワクチン接種率が伸び悩んでいる。原因はワクチン忌避で、理由は本人が意識的に接種しない。死亡率低下や、全体に接種が進んだから集団免疫ができるだろうという読みもあるらしい。

 全体的には、パンデミックは終わり、ワクチンで重篤化の危険が薄くなり、なんとなく大丈夫だろうという意識が持ち上がっているという見立てだ。つまり、文化的な壁が邪魔だというのである。

 号令で人を動かそうとするのは、わたしは趣味に合わない。日本においては、対コロナの司令塔が、すっきりした分析・意志決定に基づく説明ができない。こんな状態が続くと、いつまでたっても収束の見通しが立たないことだけは事実である。

 こちらは政治的壁が妨害しているというわけだ。