論 考

日本人のネックとしての時間論

 2019年度から施行の、高度プロフェッショナル制度で、やはり長時間労働が多いようだ。予想していたことである。残業規制を取っ払うのが狙いだから、その制度において時間管理が向上するわけもない。

 労働組合は、労働時間問題というよりも、時間論に取り組むべきである。時間論とは、人生における時間について考える。人生における労働の意義も考える。

 労働組合は労働の元締めのはずだが、労働論や時間論らしき見識が聞こえてこない。抽象的な問題だが、たとえれば作物にとっての畑である。畑を十分に耕さずして作物が実り多くなるわけがない。

 組合リーダーは、昔と異なって大方は大卒であるが、専門領域に優れていても、全体を眺める力が育っていない。知恵は昔の組合リーダーをはるかに上回っているだろうが、その知恵が有効に活用されているだろうか。

 「労働とは何か」「人生と時間」などの悠長な! テーマに真っ向取り組んでこそ、組合活動の前進のカギがある。