論 考

慣れの恐さ

 世界のコロナ感染(発病)者は1億4千万人超、死亡は300万人を超えた。ワクチン接種が本格化しているが、まだ、霊験あらたかと喜ぶ段階ではない。

 日本は、感染者が53万5千人超、死亡が9千600人超である。感染者増と退院者増を比較すると、この数日、感染者増が倍近い。医療が追い詰められているのは否定できない。

 人間は「慣れる」生き物だから、そのお陰だろうか、パニックが発生していないのは上等だが、新聞では医療関係者や病院に対する嫌がらせが報じられている。ワクチン接種はまだ軌道に乗らない。

 この国では、人々の政治的無関心がとっくに定着! しているから、つぎつぎに発生する政治的不手際にも無関心的寛容で、政治家諸氏としては、まことに幸運である。それをいいことに、いつまでも気合が入らない芝居ばかりやっていると、突然、何ごとかが起こるかもしれない。ご用心。

 大事なことは1つだ。自分のやるべきことを確実・丁寧に押さえること。政治的無関心とは、いわば無政府主義なのである。それがわかっていない政治家が多いのも、まことに剣呑だ。