論 考

制裁では事態を改善できない

 22日EUが、ミャンマー国軍トップら11人に制裁を科した。EUへの渡航禁止、資産凍結である。米国も警察高官・国軍高官、33軽歩兵師団・77軽歩兵師団の資産凍結、取引禁止を科した。

 そもそも国際社会や他国がミャンマーの国内事情に介入するのは限界がある。内政干渉だという壁だ。ミャンマーの場合、まだ制裁の範囲は限定的であるから、国民生活に多大の影響を与えてはいない。

 国連は、国軍側に対して先の選挙で違反があったのであれば、証拠を提出するように呼び掛けている。

 国連が一本化して、国軍側とスーチーNLD側の調停をできないものか。中国もロシアも、対立する両者が話し合う場を作ることには反対しないのではないか。制裁は結局、国際社会が何もしない(できない)ことと同じになるし、制裁を強化すれば、国内の混乱に拍車がかかる。混乱は国軍の狙いでもある。

 対立する両者を話し合いのテーブルに着ける努力が必要だ。