論 考

そして誰もいなくなった

 今朝の社説は、朝日「総務省接待 調査態勢を立て直せ」、毎日「谷脇総務審議官を更迭 もはや内部調査は限界だ」と書く。週刊誌に接待事実を突き付けられて、嘘答弁が追認されるのだから、総務省内調査の限界は疑いない。

 読売は「参院集中審議 接待が行政を歪めていないか」と指摘する。これも、総務省内部で「歪めていない」というのは当てにならない。

 東北新社が、放送法の外資比率20%を超過しているのに処置をうけなかったのが、うっかり見落としというのは無理筋だ。お目こぼしである。これは、菅氏長男の介在を無視できない。菅氏が携帯値下げ論を主張しているのは2008年からであり、谷脇審議官との親密な関係は以前からである。

 これらのキーマンは菅氏自身だと見るのが社会通念に適う。菅氏自身がいままでの総務省との関わりについてきちんと答弁するのが手っ取り早い。

 総務省内では「誰が生き残れるか、全く見通せない」という声が上がっているらしい。アガサ・クリスティに『そして誰もいなくなった』という作品がある。