論 考

いつまでも腰が定まらない

 緊急事態宣言を6府県について3月1日に宣言解除する。諮問委員会で医療関係専門家の多くが懸念を表明したが、見切り発車である。

 実際のところ、吉と出るか凶と出るか、わからない。首相だろうが、知事だろうが、いわば運を天に任せている。緊急事態宣言自体が、まったく人為的で格別科学的合理的な根拠があるわけでもない。

 コロナ感染拡大防止の政策はいかにあるべきか。政策の大本を菅氏らはわきまえているだろうか。それが問題だ。普通の経済活動をしたいのは、だれでも当たり前である。

 ここで、大本というのは、感染拡大防止と経済の両面作戦を半端にやるのではなく、感染が拡大するから経済が迷惑をこうむるのだから、まず、感染拡大防止をきっちりやらねばならない。

 危惧するのは、菅氏らが、その大本を押さえていないから、あちらこちらから声が大きくなると、それに煽られて右往左往する。昨年騒動発生以来、いまだ政権中枢の立ち位置が定まらない。

 これが、典型的なポピュリズム政治である。記者会見すらできないという情けない茶番つきだ。