論 考

手抜き政治は危ない

 イギリスのEU離脱方針が決まらない。

 メイ内閣が、強硬離脱か、緩やか離脱か。いずれも選択できないからだ。しかも、強硬離脱の前途は波風が高く、いまのようなもたもたが長引くならば、少なからぬ企業が大陸へ出ていく可能性が大きい。

 先日の総選挙でメイ首相の求心力が低下して、後継争い的動きが出ている。といっても、誰かが明確に手を挙げているのではない。アングラ放送が飛び交う事態らしい。

 求心力低下しつつも、メイ首相が依然として離脱方針のカギを握っているのは確かなので、党利党略ではない離脱路線を打ち出すならば、逆に求心力を回復するチャンスがある。

 メイ首相が政局に頭を浪費せず、ひたすら政治課題に邁進するかどうか。

 いずこの国のいかなる政権も、「政治をする」という目的をおろそかにして、「権力支配」ばかりがオツムにあると、必ずしっぺ返しを食らう。これ、きっちりわが国の政治家諸君にも教訓としてほしい。