論 考

稚拙な答弁

 予想外にご祝儀で人気が高かったので、おそらく油断したであろう。今度は支持率が危ないところに落ちてショックを隠せない。

 なぜ人気が急落したかというと、前任者と同様で言葉に真実味や情がないからだ。官僚的鉄面皮を感じて嫌になった人は少なくないだろう。

 議会の答弁でかすれ声を指摘されて、「喉痛で声が出にくい。官邸医技官と相談して必要な薬を服用している」と応じた。――相談したのであって、医師の診断を受けたといわないのは違和感がある。わたしは医師に相談などせず、ちょいと異変を感じるとパブロンを服用する。

 PCR検査を受けたかと問われると、「必要な検査は受けている」と応ずる。――要するに、PCR検査は受けていないわけだ。なるほど、PCR検査は義務ではない。しかし、いまは大事な時期である。

 入院拒否すれば懲役か罰金の厳罰を提案している。ならば、首相たるものが率先してPCR検査を受けるくらいは当たり前じゃないか。

 人々の気持ちが読み取られない。もし、後でコロナウイルス感染が露見すれば——みっともない、だけでは済まないだろうなあ。