論 考

いわゆるエリート・パニック

 巨大地震、津波、コロナ騒動などが発生した場合、社会全般にパニック(混乱状態)が発生しやすいのはよく知られている。

 コロナ騒動では、2~3月をピークとして、トイレットペーパー、マスク、食料品の買い漁り騒ぎがあったが、以降半年以上平穏に復帰した。自粛警察云々も、一部の騒動に過ぎない。

 エリート・パニックといわれるものがある。これは、一般の人々ではなく、政治や各界リーダーが、発生した問題に対して的確な手が打てず右往左往する。問題発生初期に起こりやすいが、時間の経過と共に然るべき対応が開始して収まるのが普通である。

 目下、社会全般は感染拡大があっても静穏であるが、全体の対応策を提起する政治家は、相変わらずパニック状態に見える。

 理由は明確だ。パニックは学習効果によって収まるのだが、わがエリート諸氏においては、依然として学習効果らしきものが出ない。

 おまけに、GoToキャンペーンの始末でドサクサするように、自分が撒いた種で、わざわざ問題を拡大してしまった。

 本人の問題意識がしっかりしていない場合には、学習効果は出ない。なぜなら、何が問題なのかというマターを押さえていないからだ。いわゆるエリート諸氏には、冷静に問題を整理して、いま、何をなすべきかを考えてもらいたい。下手な鉄砲は数撃っても当たらない。