論 考

政府・与党は果たして正統性をもつか

 大方の人が、世界平和を求める意志をもっているであろう。

 その意志の一致を作り出すのは、単一の意志によるのではなく、誰もが共通の目的(=世界平和)を達成しようとする、個別意志の結束に他ならない。

 たとえば、核兵器禁止について、首相が広島・長崎へ儀礼的挨拶に出かけても、政府・与党は本気で禁止を主張する気がない。わが国の場合、核兵器禁止に反対するのは政府・与党である。

 人々が不満足を表明すれば、民主主義下の政府はいつでも下野しなければならない。だから、不満足や異議申し立てを食らわないように、政府は熱心に仕事をするのである。

 ところが、わが国の政府・与党は、本気で仕事をしない。人々の不満はそれなりに表明されているにもかかわらず——ということは、わが国は民主主義ではないという帰結になる。

 民主主義における自由とは、大事なマターに関して、いつでも個人がイニシアティブをとれる状態である。