月刊ライフビジョン | 甘酸辛苦

月の光

POOH

 寝苦しい夜はドビュッシーのこの曲に限る。

「喜び」に同居する「哀しみ」の旋律に、神秘的な安らぎがある。同じ「月光」でもベートーベンのピアノとはずいぶん異なる。

 人間の情感は時の流れとともに揺れ動き、喜びに涙したり哀しくて笑ったり、画一的には表現できない。

<「月の光の中の林檎」ケント紙・鉛筆>


 熊のPOOHさん  1954年、桐生市生まれ。
 22歳から労働組合の地方組織で32年間組合活動に専念。
 2019年3月、定年退職後入学した武蔵野美術大学・通信教育課程を卒業。現在、絵を描くことの意味を探究中。