月刊ライフビジョン | 甘酸辛苦

ベルリンの壁のKiss

POOH

 今や観光名所となった「ベルリンの壁」。そこに有名なキスの絵がある。

「壁」は崩壊後、様々なイラストが描かれ保存されている。もともと「壁」は何の予告もなく突如東側によって造られたという。当時は夜間照明で乗り越えようとする人影がすぐに発見できるように「壁」は真っ白だった。

 キスをする人物は、旧ソ連のブレジネフと旧東ドイツ評議会議長のホーネッカー。キスは両国の緊密な連携を誇示するためのメッセージであり、1979年に撮影されたその写真をもとにこの絵は1990年に描かれた。この絵を描いたのはロシア人画家である。

 ドイツには、敗戦後半世紀に亘って東西に分断された歴史がある。その重さは、同じ敗戦国日本の軽さとは大いに異なっているように思う。

<「ベルリンの壁のキス」画用紙・ボールペン 2020.2ベルリンにて>


 熊のPOOHさん:1954年、桐生市生まれ。22歳から労働組合の地方組織で32年間組合活動に専念。2019年3月、定年退職後入学した武蔵野美術大学・通信教育課程を卒業。現在、絵を描くことの意味を探究中。