論 考

立憲と国民の合併

 立憲民主党と国民民主党の合併がもたついている。

 難産した子どもがすくすく育つという事例は多い。いままでの行きがかりによる不信感や、性格の好き嫌いからくる気分もあろう。もたつくこと自体は悪くはないから、意味のあるもたつきをぴちっとやるべし。

 ゴールはわかっているのだ。対等合併か、吸収か、というような些末な根性で大きな政治ができるものか。対等にせよ、吸収にせよ、いまの与党と比較すればまことに小さな問題である。合併しても、まだまだ大した勢力ではないのだ。どんどん大きくしていくために、勢いをつけるのが目下の合併でなくてはいかん。

 合併の大事は最小公倍数である。いわく、いずれの党も「民主」で括られる。そして、闘わねばならない与党は「反民主」である。わが国は、戦後デモクラシーになったが、実のところ、国民的規模においてデモクラシーが育っていない。だから、「民主」を共通の土台として進めばよい。

 たとえば原発で両党の認識が異なるというが、それは、そのままでよろしい。与党内でも意見の違いがある。百人百様の趣味をもつ人間の完全な一致などありえない。

 民主主義とは多様性である。忘れてはいけない。