論 考

クリミア半島の停戦合意

 12月9日、パリで、プーチン大統領とゼレンスキー大統領の5時間半にわたる会談がおこなわれた。共同声明では、ウクライナのドンバス地方でのウクライナ政府軍と、同地を実効支配している親ロシア派の間で続いている戦闘を「年内に全面的かつ包括的に停戦」をすることで合意した。

 この間、戦闘による死者は1.3万人に及ぶという。ロシア・ウクライナ双方が拘束している、合わせて300人の釈放も合意した。

 ロシアは、ドンバス地方での紛争の当事者ではないという立場を押し出していたが、当事者であることを認めたことにもなる。

 会談の介添えをしたのはマクロン大統領とメルケル首相である。独仏連携で、2014年にロシアがクリミア半島を併合して以来の紛争にピリオドを打つ行動が前進した。

 今後のプロセスについて、同地方で選挙をおこなうことに関しては決まらなかったが、4か月後を目途に次回の首脳会談をおこなう。当面、停戦が完全に履行されるかどうか。