月刊ライフビジョン | 甘酸辛苦

デユーラーの兎

POOH

 北方ルネサンス(ドイツ)の画家アルブレヒト・デユーラーの「兎」を鉛筆で模写してみた。

 そこで解ったのはデユーラーの観察眼である。この絵を描いている時間に兎がポーズをとって身動きしなかったとは考えられない。見えたものを見えたままに描き移すのではないということだ。兎の骨格を想像できなければ、前足や後ろ足の位置などわからない。肉付き毛皮の皺なども細部にわたって想像力を働かせなければ描けないのではないか。

 想像力無しに正確に物事を観察し捉えることはできない。

<「デユーラーの兎」ケント紙・鉛筆>2023/1


 熊のPOOHさん  1954年、桐生市生まれ。22歳から労働組合の地方組織で32年間組合活動に専念。2019年3月、定年退職後入学した武蔵野美術大学・通信教育課程を卒業。現在、絵を描くことの意味を探究中。2020年群馬県美術会準会員。2021年自由美術会員。