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個々人は好感なのに政治が対立?

おかぼん

 2月は2度も京都を訪れる機会を得た。それぞれ、マラソン大会や研修会が主たる目的であったのだが、せっかく京都を訪れたのだからと寺社巡りをした。

 伏見稲荷大社を訪れたときだが、とにかく外国人が多いことと言ったら半端ではない。学生時代と比べても、否このような寺社巡りは数年前より続けているのだが、ここ最近でも確実に増え続けている気がしてならない。それも、中国、韓国、台湾、香港と、一瞥したところ、日本人と殆ど変わらない外国人が圧倒的に多いと思われるのである。

 ということで、京都市産業観光局の出している京都観光総合調査を見てみると、東日本大震災のあった2011年に52万人だった外国人宿泊数は、僅か6年で約7倍の352万人となり、その外国人の55%強が中国、韓国、台湾、香港人なのであるというから道理である。

 この調査で特に注目すべきは外国人全体の総合満足度で、大変満足が39.9%に達し、満足、やや満足を加えた合計は何と96.7%と驚異的な値である。その理由の1番が「街の清潔さ」であり、2番が「治安」、以下「寺院・神社、名所・旧跡」「自然・風景」「伝統文化」と続く。(いずれも大変満足50%以上)

 この事実を我々はよく認識する必要がある。そう言えば、京都で和服を着た若いカップルが中国語で会話しているのを多く見かけた。間違いなく中国人である。彼らは確かに日本を気に入ってくれている、のである。

 最近、隣国である中国、韓国との関係は、こと国家間では決して良いとは言えない。否、悪いと言った方が正確だろう。また、両国ではいまだに反日教育が行われているとも聞く。これを非難するのは容易だが、それは火に油を注ぐだけで何ら根本的な解決には繋がらない。

 過去の両国との不幸な関係はしっかりと受け止めなければならない。しかし、覆水盆に返らず、と諦めてはならない。将来を見据えて両国との関係を少しでもよい方向に持っていくために、我々は多くの外国人が日本を訪れているこの機会を逃さず、日本の良さを知ってもらうことにより一層、意を用いるべきである。

 何年、何十年、否それ以上かかるかもしれないが、それを継続することで少しずつ関係が良くなっていくことを信じてやまない。