月刊ライフビジョン | off Duty

シニアにスマホは手強いぞ~

曽野緋暮子

 同年代の友人達から「どうせ替えるならちょっとでも若い時が良いよ。」とアドバイスされていた。今の時代、災害時の情報収集や発信にはfacebookやLINEが欠かせないと感じていたので、携帯電話契約の更新を機にガラケーからスマホに替えた。

 男性担当者から契約内容や機種について説明を受け、引き続き女性担当者と手続き実務に取り掛かった。いずれも説明が延々とあり、何枚もの書類に署名する。午前10時に入店。昼食も取らず午後2時近くまでかかった。疲れ果ててお得なのか高額なのかサッパリ判断がつかない。とに角連絡手段としてのスマホが要るんだ、との気合いで契約を済ませた。帰り際にお店で無料のスマホ教室があると案内された。タブレットの使用経験があるので何とかなりそうだったが、この業界の進歩は目覚ましい。受講した方が手っ取り早いと思い申し込んだ。

 さて。タブレットに比べてスマホは小さい。従って私の太い指では思うような入力ができない。また反応が速いので、送信操作をした積りがないのにあっと言う間に送信済みになってしまう。カメラ機能も自分の意思と関係なく、あっという間に連写になってしまう。スマホはなかなか手強いぞ~。

 数年前のドコモの店頭では、LINEに関しては当社と別会社だからお答えできませんと言う対応だったが、今ではLINEアプリのインストールも、操作方法も店頭で教えてくれる。

 こうしてスマホ教室の後半はLINEの講習だった。スライドショーで説明を聞いた後、「ではやってみましょう。」と言われ、スマホを操作したところワァ~っと、友人の名前が画面に表記された。自分の電話帳登録者でLINEをしている人達が一斉に、「友達」として登録されたのだ。定年後の人付き合いを拡げないことをモットーとしている私としては、LINEを必要最小限の連絡ツールにと思っていたので大慌てだ。講師に聞いてブロック、ブロック!「曽野さんやっとLINE始めたんだ。」と返信してくれた人には失礼極まりない行為だが、仕方ない。瞬く間にいろんなことが進んでしまうので恐いものだとシミジミ思った。

 その一方で、LINEは忙しい現役サラリーマンたちと連絡を取るには確かに便利だ。相手が読んでくれたかどうかがわかるのも助かる。写真や動画が容量に関わらず送れることもうれしい。スタンプを押すだけで意思が伝えられることも、文字入力に手間取る私には大助かりだ。

 このLINEの利便性を備えたSMSが携帯三社で5月9日から実施と聞き「やった!」と思った。友人の中には電話以外の連絡はSMSだけという人も多い。SMSは文字数の制限があり、しかも1回の送受信毎に3円かかることが悔しい。LINEをインストールしなくてもLINEと同じ機能が使えるなら皆と連絡が取りやすくなる。心待ちにしていたがしかし、全くの期待外れだった。LINEと同じようにアプリをインストールし、相手も同じアプリをインストールしなければ期待の利便性は得られないのだ。結局ガラケーでは使えない。携帯会社はガラケーユーザーのことなんて考えにないのだろうか。

 次々進化していく技術に振り回されていくのも癪に障るが、置いてきぼりも困るなあ…