月刊ライフビジョン | off Duty

祝20回!おとなのキャンプ

曽野緋暮子

 恒例のおとなのキャンプ。今年はいつも借りているログハウスに空きがなく、三連休明けの平日開催となって、お勤め現役の参加者はなし。前日から主催者Kさんのお宅に泊まり込んで、裏山の竹を切り出して作る恒例の竹の食器作りも中止となった。ちょうど前日に敬老会があり、食器作り隊のメンバーはその世話役で忙しさが重なったこともあって、例年より約10名少ない。

 敬老会は75歳以上の集まりであるが、75歳未満は世話役として忙しい。敬老会出席者の年齢がどんどん引き上げられるので、地元の高齢者はいつまで経っても世話役を降りることができない。

 キャンプの前の里山散策も「しんどい! 」と言う常連が多くなって、皆が集まるとすぐにキャンプの準備に入った。しんどい! とは言いつつも生ビールの樽はいち早くセットされ、誰かが準備したビールジョッキで乾杯が始まった。緑に囲まれたログハウスの広いガーデンデッキで昼間から呑む生ビールは格別だ! 

 露天風呂は何故かいつもYさん担当。檜の風呂場を丁寧に洗って湯を張る。温泉ではないが温泉のように柔らかい湯になるのは檜の力? Kさんは蕎麦職人の衣装に着替え<助手のFさんを従えて人数分の蕎麦を打つ。釜に薪で蕎麦を茹でる湯を沸かす。猪汁の大鍋用、秋刀魚を焼くため用、山鯨の焼肉用と、次々に火を熾す。猪鍋用の野菜を準備し、箸休め用にサラダ等副菜も何品か作る。合間にビールを呑むので、宴会開始前というのにもう1樽空いてしまった。

 Kさんが「蕎麦は打ち立てを食べてほしい」と言い、全員で席についたのが午後3時。早過ぎる時間だが何となく宴会開始。年々蕎麦打ちの腕は上がっているようで、“打ち立て”だからだけでなく本当に美味しい。蕎麦には日本酒が合う。持ち寄りの酒や焼酎の封が次々と切られていく。生秋刀魚が不漁なので今年は塩秋刀魚だが、薪で焼くと確かに美味しい。薪で焼く山鯨も格別の美味しさだ。合間にいただくHさん自作の黄桃も瑞々しく美味しい。

 舌鼓が一段落した頃合いで近況報告が始まった。「80歳になりました。」「75歳になりました。」と年齢の披露が続く。参加者の最高齢が88歳、最年少が64歳、平均年齢70代半ば。う~ん、皆元気だけれど、外から見たら「昼間っからジジイとババアが酒呑んで騒いでる」って絵面だろうなあ。

 主催者Kさんの話ではこの「おとなのキャンプ」はことしで20回目。最初は少人数で里山を楽しんだ後ワイワイする会だったそうだ。そう言えば私も里山に登りたくて参加して、呑んだり食べたりはオマケだった。年々山登りや長時間ウオーキングが少なくなり、遂にことしは宴会だけになった。これも良いかなと思える年齢にもなった。

 「ことしで20年なので最後にしようと思ったが、皆が続けた方が良いと言うので来年もやる。」とはKさんの宣言。やっぱり、最後にするなら現役の人も集まれる日に私達が竹で食器を作って「Kさん、お疲れ様!ありがとう!」って締めくくりたいなあ~。一年後も元気でいなくっちゃあ~ね。