月刊ライフビジョン | off Duty

主婦の関心はコロナから投資話へ?

曽野緋暮子

 「もう、堂々とランチしていいよね。」と数ヶ月ぶりに友人4人で集まった。ちょっと高めのランチだが、女性に人気のお店の広い駐車場は11時過ぎには満杯だった。コロナの規制が緩んだ効果なのだろう。でも、マスクは外せない。この日の話題は、春らしいメニューを堪能しつつ3月13日からマスク着用が自己判断になるみたいだけど、どうするッ? からスタート。1年に100回はコースに出るほどゴルフ好きのT子は、「私は外すよ。ゴルフは屋外だし、ちょっと離れてお喋りするし。ゴルフに行かないときは農作業しているから、これも屋外だし。」

 幼稚園と小学生の孫の送り迎えをするM子は、「小学校や幼稚園次第だろうけど、マスクは当分外せないと思うよ。孫達はワクチン接種をしていないので、何かあったら怖い。今年の幼稚園の入園式も昨年同様にクラスごとにモニターで園長先生のお話を聴くらしい。記念写真もクラスごととかで、参加できる保護者は1名だけみたいよ。園の行事も縮小したままの方が先生方の負担も少ないから、コロナ後(解禁)方式が良いかな?って。もし、一斉にマスク外してクラスターが出ると困るので当面マスクはしてほしいとは思うけど、行政の判断がどうなるのか、園長先生も困っているみたいだった。小学校は教育委員会次第かな?」

 J子は―「知人がコロナの後遺症かワクチン接種の副作用かはっきりしないけれど、手に力が入らなくて家事をする時にも困っている。少しは良くなってきたけれどもう1年位は続きそうだって。コロナの治療薬が簡単に入手できるわけでなく、ワクチン接種副作用の治療薬もないと本当に不安よね。5月には6回目のワクチン接種があるらしいけれどどうするか迷うところよね。ワクチン接種が無料の間は接種すると言う人もいるけれど、短期間で異物を体内にどんどん入れて本当に大丈夫なのかしら? 自衛手段がマスクと手洗いしかないとなるとマスクは外せないなあ。」―

 お洒落なJ子が続けて言う「それと3年もマスクしていたからマスクなしで外に出ると恥ずかしいなあ。」「わかる、わかる。」メイクアップ化粧品を3年間触っていない私は大きく肯く。「メイクアップはそのうち考えるとして、立て続けに接種しているワクチンの、目に見えなくても蓄積されている物質は大丈夫かと疑心暗鬼になるよね。まあ、自治体から連絡が来たら考えよう。」とここで、この話題終了。

「最近話題になっているNISAで積立投資ってやっている?」「やらないと損しているよって言われるけどどうなのかなあ?」とJ子。ちょうど前日娘からも同じ内容の電話があった。保険会社に勤めているママ友さんから「ただ貯金しているだけだと損しているよ。投資信託して少しでも配当で儲けなくっちゃ。」と言われたそうだ。

 「貯金しているだけって損はしていない。得もしていない。」と私。

 「投資信託や株は貯金と異なり、リスクが付き物。配当が入ってくると得した気分になるけれど、元本が減っていくことも覚悟しておかなければいけない。5年、10年使わなくても良いお金があるなら貯金するより良いかもわからないけれど、急にお金が必要になった時に引き出そうとするとマイナスになっていることがあるよ。」同じことをJ子に伝えた。資産家のT子は「使う宛てのないお金は貯金しないでNISA枠いっぱい投資しているよ。配当金でゴルフが楽しめるわ。」

 確かに、余剰金がある高齢者は投資信託でも、株にでも使えば良いけれど、目の前の生活に追われている人間を「え、損しているの?」って焦らすような、煽るようなテレビや新聞の宣伝が急に増えているのはどうしたものだろうか?フツーの庶民は儲けようなんて気を起こさないで地道に暮らすのが一番だろう。

 久々のランチは盛り上がったけれど、以前のようにどこかに旅行しようなんて気楽な話はまだ、出なかった。