月刊ライフビジョン | off Duty

安倍元総理の国葬に大疑問!

曽野緋暮子

 6月下旬に新型コロナワクチン4回目の接種券が送られてきた。感染者が激減しているし、ワクチン接種は3回で終わりかという予測もあったため、今までのように券を受け取ったらすぐに接種申し込み、との気にはならなかった。友人達に相談すると接種すべきとの意見が圧倒多数だったので早速、申し込みして7月5日に接種した。「感染者が減って来たためか酷暑だからか、今回は申し込みが少ないんですよ。」と看護師さん。副反応による高熱なのか熱中症なのか、わからないところもあるようだ。接種後15分待機して帰宅、その日は微熱で早めに就寝。翌日は微熱と頭痛、倦怠感で終日グータラして過ごしたが、前回と同じく、その翌日には本復した。

 各地の夏の行事が3年振りに開催、と報道されている。延期していた息子の結婚式をすると言う友人。昨年始めた登山に夢中な友人は白山、富士山、立山、北岳、と2週間おきの登山計画を楽しそうに話す。後輩からも、ボチボチ飲み会再開しましたとLINEが来た。娘からも、3年振りに盆明けに帰省しようかなと連絡があった。

 そうか、もう動いて良いんだ。だったら私達も3年振りに紅葉登山の計画を立てよう、と取り掛かった矢先の7月半ばから、あっという間に感染者急増だ。特に地方での急増が凄かった。3年振りの帰省や、地方への観光客が引き金となったのか、ワクチン接種をしていない子ども達からの感染なのか、瞬く間に「全国各地で過去最高の感染者数」とのフレーズを連日、ニュースで聞くこととなった。

 早くから計画を立てていた人達は、感染者急増の前に「仮想旅行」を済ませていて羨ましい! 案の定、盆明けに帰省を計画していた娘から「感染者が多いみたいだから、やっぱり今年も見送る。」と連絡。私達の登山計画も体力的に最後のチャンスと思いつつも、何となく頓挫。代わって4回目のワクチン接種に関する情報交換が頻繁になった。

 コロナ禍での3回目の夏。無観客で開催された東京オリンピックから1年、ロシアのウクライナ侵攻が始まって5ヶ月、M7.4の福島県沖地震から4ヶ月、知床観光船の遭難事故から3ヶ月。そして7月8日、安倍元総理襲撃事件が起きた。

 衆目の面前で人が撃たれて亡くなるなんて、衝撃的だった。殺傷能力のある銃を素人が作ることができることにも驚かされた。「SPって銃声1発目と2発目の間に体を張って依頼者を守るんじゃなかったの?」とドラマや映画で岡田准一の情報慣れした仲間のLINEも飛び交った。コロナの閉塞感も襲撃を後押ししたのかもしれない、などとにわかコメンテータも多かった。

 しかし最大の疑問符は「国葬」だ。モリカケ、サクラ、いきなりの休校、使われなかったガーゼマスク等等、多くの不祥事が未解決のままにして「国葬に値する立派な人」にまで飛躍するのは何故? 海外からの弔問を一度に済ませる!、利点、それだけで国葬?、効率や合理性と儀式は相容れないのに、あれだけ元総理の所業を批判していたマスコミが、表立って反対しないことも不思議だ!

 あぁーっ、積み上がった不条理を、コロナ禍で回らなくなった頭で考えるのはもう無理だ! 紅葉登山の計画で頭の中をリフレッシュしてから、続きを考えることにしよう。