月刊ライフビジョン | off Duty

コロナからの卒業は近い、か

曽野緋暮子

 コロナ感染者が激減し、11月になると「もう動いてもいいのでは」とのムードが広がってきた。ただし「感染対策をして」との注意書きはまだ外せない。一度行ってみたかった、友人お薦めの隠れ家イタリアンへ、延び延びになっていたが思い切って1人で出かけた。

 ランチ時間ちょい前に着くと先客はいなかった。検温、手指消毒をして窓際の席に就く。続いて2組の来客があったが皆さん、マスク越しのひそひそ話。BGMを聴きながら食事を堪能してレジへ。店主が「電話番号をここに書いて」と言う。一瞬怯んだが、自店からコロナ感染陽性者が出た場合の対応なのだ。

 数日後の日曜日、屋外のイベントに出かけた。会場入り口に長机が数本用意してあり、参加者の住所、氏名、電話番号を記入、書き終わった人達は紙バンドを手首に巻いて入場可となる。記入に時間がかかるようで行列ができていた。

 若いスタッフが「スマホでこのQRコードを読み込んで記入してもらえれば早いですよ。」とアドバイスをくれたが、スマホを取り出してもたもたしている内に順番が来たので、紙に手書きして入場した。会場内は大人も子どももマスク、マスク、マスク…。テーブル、椅子は席が空くたびにスタッフがこまめにアルコール消毒をしていた。コロナ対策で主催者、スタッフはどこも大変だ。

 2年ぶりに4人でひっそり同期会。S子の家にちょっぴり豪華な弁当持参のランチだ。2年の間にいろいろあったS子。夫を肝硬変で亡くした。夫と建てた一軒家を住みやすいサイズの家に建て替えた。住んでいたマンションの売却金を頭金にして35年ローンを組んだ…。子ども達に残すのにマンションより駐車場付きの一軒家の方が良いと考えたそうだ。「私、105才まで生きないとローンを返せない。」と明るく笑うS子。前向きで思い切りの良いS子にはいつも驚かされる。

 M子は、同居している姉が脳梗塞で倒れて軽度の右半身不随になった。食事中に異変があり救急車で病院へ。コロナ患者の余波でリハビリが1か月中断したため回復は捗々しくない。今は週に3回デイサービスでリハビリに通っているが、タイミングを逃したリハビリは遅々として進まないようだ。「本人が一番辛いのはわかるけど、私もしんどい!!!」と老々介護を嘆くM子。なんだかんだと言いながらM子のスマホにLINEを設定し、これで気軽に皆と愚痴話ができるねと、励ました。

 東京の友人から、「何年振りかで新宿で飲んでます」「今、歌舞伎町です」と写真付きでLINEが来た。夜遅くなっても人が多いようだ。「友達と北海道を旅行しています。毛ガニを送りますね。」とは大阪の友人から。東京の友人はJRのお得切符で新潟、岩手、宮城と旅行だそうだ。「そろそろ出かけたいけれど一気に人が動くとまた感染が広がるかなあ?」なんて地元の友人と話していたので、都会に住む人達のフットワークの軽さにはビックリ!!!だ。