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皇室について考えた

司 高志

 あまり年も食ってないころの私は、皇室について深く考えたことはなかった。皇室の運用原資は税金であることや、歴史の場面場面で皇室が担がれてきたことも認識していた。しかしある程度年がいってからは、皇室はあってもよいものとの認識に変わった。それは次のように考えたからだ。

 まずは、我が国に危機が起こったときに、団結して事に当たるための旗印となることである。もっともこれは、コインの裏表、諸刃の刃になることは、先に述べた通りである。権力者にとって、担ぎやすい存在となることは間違いない。

 次に、時の権力者が、あらぬ方向に事を進めようとしたときに、皇室が良識となって待ったをかけてくれる可能性があることである。私の考えるその一例は次のものである。先のオリンピック開会式での天皇陛下の開会宣言は「私は、ここに、第32回近代オリンピアードを記念する、東京大会の開会を宣言します」というものであった。「記念する」は、新型コロナの影響がなければ、「祝して」となっているはずである。新型コロナの影響下では、素直に喜ぶことはできないという気持ちの表れではなかったか。というように、皇室に関しては、肯定的な思いがあったのだが、KK氏とM子さんの結婚問題が持ち上がってから、考えが変わった。

 今までは、皇室は善良で良識があり、国民の意をくむ存在であると思っていた。つまり性善説であったわけだ。担がれて悪用されることがあるだけと認識していた。だが、それは思い込みであって、皇室の制度・運用は、皇族が正しいことをするという性善説が前提となって成り立つものだ。

 しかし、この制度を利用して、無限にではないにせよ、ある程度は暴走が可能なことがわかってしまった。人一人くらいが一生使いきれないほどの予算を陰で動かすことができてしまう。これには対策が必要である。

 話しは変わるが一般論として、何か不具合が起きた時に原因を分析し、対策をするという手法がとられる。私が分析した今回の暴走劇の原因は、M子さんが皇室を抜ける手立てがなかったことにあると見ている。それは、心の病が中学生のころから見られるようになったとの報道である。この点について、私は本当に同情している。

 不遜を承知で書くが、M子さんにとっては、皇室の仕事はブラックに見えてしまったのではないだろうか? 社会経験のある人ならそんなことはないと思うだろうが、心と体が皇室はブラックであると思い込むと、本人自身もその認識を変更することが、困難になる。

 私自身も世間の人から見れば楽な部類の仕事をしてきたが、しかし私自身の中ではブラック職場だった。おそらく、多くの人から見れば、「それくらい我慢せぇよ」と言われるのではないかと思う。だが、本人の中では大問題なのだ。

 M子さんは、ブラックから逃げる手段がなかったので、結婚という手段を用いて逃れようとした。結婚相手が常識人であればめでたし、めでたしとなり、国民皆から祝福されたのであろうが、KK母子は、法律にこそ直接触れたことになってはいないが、黒より濃いスーパーブラックだ。黒からスーパーブラックに乗り換えて皇室を脱出しようとするから心が不調になる。M子さん自身もKK母子は非常にブラックということを心の底では理解しているから、世間で指摘されると、心の中の葛藤が身体症状として表れてしまうのだろう。

 これを誹謗中傷として処理しておかないと、心の崩壊をどうにも食い止めることができないので、都合の悪い出来事は誹謗中傷として処理されたのであろう。

 ここから本題だが、私の考える皇室制度の変更は、皇族が皇室を抜けたいと思うとき、それを可能にする制度である。皇室自体から抜けても、お金を稼ぐ手段がなければ、なかなか抜けられない。高校生の時くらいから国家公務員のインターンとかをして肩慣らしをし、それでも抜けたければ、通常の公務員の3~5倍くらいの給料は払ってもいいと思う。

 皇族は国家公務員として働いてみてはどうか? そうしたら、世の中そんなに甘いものではなく、上司や国民にサービスしながら生きていかねばならないという世の理不尽も見えてきて、やはり皇室の仕事がいいということにもなるだろう。よい友ができれば、ものの見方も多面的になる。一周して帰ってきてこそ、よい仕事ができるのではなかろうか。

 さて次は、宮家のお金の使い方に関する監査制度が是非とも必要なことである。10月26日の会見では、お金もコネもKK氏には使っていません、となっていたのだが、状況証拠としては、多くが積みあがっており、とても信じられる状況ではない。一つ一つここには書かないが、M子さんから誹謗中傷とされてしまった多くは、実際には金とコネにつながるのではと思っている。少なくても金のほうの流れを止めるために監査制度が必要である。

 真偽のほどはともかくドイツの報道では、KK氏の就職先であるLS社と日本政府が契約を結ぶとされていたり、噂レベルでは、官邸経由でとか、外務省経由でとか、KK&M子さんにお金が回るのでは、と思われていたりと、今後の資金提供が危惧される。是非にも監査はしていただきたい。