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この記事を見ている“一票の主”に告ぐ

司 高志

  総理のコロナに対する発言で、「予想を超えたもの」というのには驚いた。開いた口が塞がらない、というのでは形容不足で、もはや形容すること言葉すら思いつかない。この人はどうやって思考しているのだろうか? 考えるという行為自体を理解していないのではないだろうか。そうこうしているうちに、インターネットで面白いものを見つけた。コロナ関連の発言を時系列に並べたものだ。転載歓迎とあったので、以下にそれを紹介しよう。

 2020年// 3月「この1ヶ月が勝負」「感染爆発の重大局面」「三密」// 4月「緊急事態宣言」// 5月「GWも自粛」// 6月「東京アラート」//7月「この夏は特別な夏」「ウィズコロナ宣言」「夜の街 要注意」//8月「夏休みも自粛」//9月「この連休がヤマ」//11月「我慢の三連休」「感染拡大警報」「感染対策 短期集中」//12月「短期集中で自粛」「年末年始コロナ特別警報」「真剣勝負の三週間」

 2021年// 1月「緊急事態宣言」// 2月「緊急事態宣言延長」//3月「緊急事態宣言再延長」// 4月「6月までが正念場」「これまでで最大の危機」「まん延防止等重点措置」「想像を超える感染の波」

 これを見てもらえばわかる通り、具体的な対策は何もない、単なる上滑り言葉の羅列だ。

 さらに言えば、「万全を」とか「全力で」とか、形容詞は出てくるが、実際には何もしていない。もう、ド直球というかド・ストレートなのが、「見守る」とか「注視する」とかだ。結局見ているだけ? そうなのだ。やっぱり具体的には何もしないのだ。

 ここでひらめくものがあった。そういえば、「仮定の質問にはお答えできない」とか言っていたな、と思いついた瞬間に…、も、もしかして今までよい方に勘違いしていたのでは、と思い至った。

 どう良いほうに勘違いしていたかというと、お答えできないというのは、「仮定の質問には答える意思がない」つまり、英語でいうと「will not」だと思っていたのだ。だが、実は、「仮定をする能力がないので答えを述べることができない」が、真実ではないのか。つまり、「can not」だったのだ。

 とすると、予想を超えたものというのは、そもそも予想自体がまともにできていなかったのだと確信した。だから言葉だけが上滑りする。と、個人的には納得しかけたが、そこで、さらに菅総理の正体が見えた!

 総理の行為の正体は、言霊を操り、疫病を平癒させようとする呪術師だったのだ。だから、具体策は何もなくていいのだ。 これはもう最低ランクの呪術師だ。本欄で筆者は、コロナに対する対応を第2次世界大戦になぞらえて語ってきたが、そんなものではなまぬるかった。

 そうだ! 実は、今やっていることは、卑弥呼の時代と同じだったのだ。ただ、卑弥呼は尊敬されていて、世の中を平らかに治めていたが、呪術師・菅は、呪力が全くないばかりでなく、尊敬も集めていない。どうりで最低の世の中になるわけだ。

 呪術師・菅の力はコロナには全く通用しないが、真の力は、こんなものではない。国民にはビタ一文出さないぞ、という強い意志ものと、最強ランクの呪文を持っている。「利権、利権」と唱え、「人事、人事」で役人を脅している。これはもう魔王やラスボスに匹敵する強さだ。

 普通の魔王やラスボスなら勇者の一撃で倒せるものだが、この魔王・ラスボスには勇者の一撃は全く通用しない。ただ通用するのは、これを見ているあなたの一票だけだ。