月刊ライフビジョン | off Duty

デジタルばぁちゃんたちが行く

曽野緋暮子

 何故か私の周りではガラケーからスマホへのブームが起きている。

 Kさんから電話。—―「スマホに替えることにした。携帯が壊れたのでショップに行ったら、今ならスマホに替えたほうが良いと言われた。教室もあって若いお姉さんが教えてくれるそうだ。」

 半月後、LINE交換のメールが入ってきた。早速、共通の友人のグループLINEに招待する。数日後、こまめにLINEがくる、写真も送ってくれる。仲間内の連絡をパソコンメールでやり取りしていた時には返事が遅くて、いつも電話をしていたが、LINEになるとパフォーマンスが良い。私は今でもスマホで文字を打つのは苦手だが、Kさんの場合はLINEが最適なコミュニケーションツールのようだ。

 「LINEはすでにパソコンに入れているし、ショートメールで事足りるのでガラケーが使えるうちはこれで良い。」と言っていたHさん。コロナの情報や市のお知らせ等がLINEで入るようになったので、更新のタイミングでスマホにしたそうだ。自分の子ども達に習おうとすると喧嘩になるのでと、時々呼び出しを受ける。マスクをしてHさん宅の玄関先で、扉を開けたままレクチャーする。と言っても私自身基本的なことしかわからないけれど。

 年に数回ランチをする四人組のうち、YさんとMさんがガラケーだった。二人とも家族も、子ども家族もみんなスマホなのに「スマホは契約料金が高い、電話とショートメールしかしないから、ガラケーで十分。」と言っていたMさんから突然、「スマホに替えました。」とショートメール着信。家族LINEに一人だけ入っていないことで、子ども達からクレームが入っていたらしい。Mさんのメールを見たYさんは「え~っ、Mさんがガラケーだからと安心していたのに、私も」と翌日ショップに行ったそうだ。

 コロナがちょっと落ち着いていた11月初旬、スマホを持ってランチ会。いつもながらの近況報告はそこそこにスマホ講習会(?)、と言っても教えるこちらも素人なので、機種が異なるとわからないことがいっぱい。でもなんとか、マスクをしたまま四密しながら、自分たちのグループLINEを登録できた。

 帰宅後4人でLINE、「メールより簡単だし、既読がつくので連絡がついたかどうかわかるのが良いね。」YさんとMさんから「指が当たって打ち間違えたり、途中で送信したりだよ~。」と落ち込みLINE。「そんなことは日常茶飯事ですよ。仕事じゃないからごめんで済むよ。」と先輩気取りの私。

 年初に会って以来のNさんと11月初旬久々にランチ。近くの里山山頂にあるレストランに行った。コロナの影響か、「平日ランチはお休み」とあった。山を下りて定食屋さんに入った。「向かい合わせで座って下さいね。」と4人掛けのテーブルにには、対角線上に座るように椅子に赤で大きな✖がしてあった。隣のテーブルとの間には透明の仕切り版が設置されていた。ニュースで見た飲食店のコロナ対策を初体験した。

 昼食後屋外のテーブルでカフェタイム。Nさんとの連絡はもっぱらLINEだが、LINE、メール、ネット検索はタブレットで、電話とショートメールはガラケーでと使い分けているそうだ。スマホにしたいとは思うが、タブレットのデータ移管ができないので、契約を打ち切れない。タブレットとスマホだと契約料が高くなるのでガラケーは手放せないと言う。

 WiFi環境さえあれば、契約していなくてもタブレットでネット検索、LINEはできる。自宅以外でもWiFi環境が整ってきているのでタブレットとガラケーを止めてスマホ1台にした方が契約料は安くなることをアドバイスしながら、私のデジタル武装もなかなかのものだと思った。

 翌日NさんからLINE。早速ショップに行き、タブレットとガラケーを解約、スマホを契約したそうだ。スマホをゲットして、張り切っている様子が書かれていた。

 残る問題はスマホ、LINE、WiFiの個人情報ダダ漏れ。洩れても生命財産の危害は少ないと判断し、ダダ漏れ容認、便利優先で使うことにしよう。