月刊ライフビジョン | off Duty

じわじわ、何かが変えられている

曽野緋暮子

 我が家では毎年、お米を作っている友人から玄米で1年分を購入している。精米したてだと新米に近い味わいで食べられるということで、毎月10キロずつ精米する。先日、米袋が最後の一袋(30キロ入り)になっていることに気づいた。次の収穫期までにはまだ半年近くあるのに、これもコロナの影響のひとつだと気づいた。

 昨年年末から自宅で食事をすることが増えてはいたが、2月以降は全く外食をしなくなった。おまけに高齢者は手洗い、うがい、マスクと十分な睡眠、栄養を考えた食事ということで、気軽に食べていたカップラーメンが激減。もちろん、旅行等の自宅を留守にする外出が全くなくなったことも大きい。慌てて米の追加購入を友人にお願いして、何とか秋まで凌げることになった。

 コロナで変化したことが意外と多い。

 新聞が軽くなった。チラシが日に日に減ってきて最近は1枚も入っていないことがある。紙面も24面~32面になり、24面の時など思わず「薄い!」って叫びそうになる。こんなに薄くなっても購読料って変わらないのかな(笑)確かにスポーツの報道が少ない、コンサートも文化芸能も延期や中止が続いている。

 今月上旬に、3月に受けた定期健診の結果を聞きに病院に行った。3月時点でも玄関に体温計があり「37度以上の方は院内に入らず、インターフォンでお話ください。」「マスクのない方はマスクをご用意下さい。」の掲示があった。院内ではスリッパに履き替えていたものが、土足可になっていた。待合室の椅子には間を空けて座るように、一席置きに大きな×印がしてあった。待合室の雑誌は無くなっていた。

 ところが今回は、さらに重装備になっていた。玄関の外にフェースシールド&マスク姿の看護師さんが数名立っていて「用件は何ですか?」と訊ねられた。予約票を提示して検査結果を聞きに来たと言うと、外で立って待たされた。玄関傍に椅子が数客用意され、お年寄りが腰かけていた。新患で来た人は一旦車中で待つように指示されていた。健診の結果は、いつもは医師から説明されるのだが今回は、特に何もないからと健診結果用紙を看護師さんから受け取って終了。帰る前にトイレをと言うと体温計で検温。幸い平熱だったので借用できたが、37度以上だとトイレも我慢して帰宅しなければいけなかったのかなぁ~。

 マスク不足が当たり前となり、ドラッグストアでは開店前に並ぶことを禁止する店が増えた。それと同時に布マスクが市民権を得た。郵便局でも500円の布マスクを販売している。以前は黒いマスクや柄物のマスクは敬遠されていたが、今ではフツーのことになった。

 同世代の人で話題になるのがその昔、給食当番はエプロン、三角巾、安倍さんがしているような小っちゃいガーゼのマスクが定番だったよね。ガーゼのマスクは菌を通すから意味がないと言われて不織布のマスクが主流になったのに、政府が布マスク配布って不思議だよね。マスコミでも布マスクは意味がないって言わないし…。

 スーパーやコンビニでレジ待ちの時、間隔を空けて待つように足型シールが貼られていることが当たり前になった。もちろん、レジの人とはシートで仕切られている。支払いも手渡しでなく、キャッシュトレー上でやり取りする。この対策が徹底してから家族そろってのお買い物が減ったようで、無駄な混雑がなくなりほっとしている。しかし…。

 今は些細なコロナ変化にしか気付いていないが、知らず知らずのうちにとんでもない変化が起きていそうで、怖い!!!


 白河のアパレルメーカーの下請けさんが、国内のマスク事情を鑑みて急遽、布マスク製造を始めました。

 たかがマスク、しかし素材の特性とデザインの要諦を抑えた技術は着け心地が違います。どうぞお試しください。(曽野)