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生き辛さ改善は一票の投票から

渡邊 隆之
 去る626日に国会が閉幕し、いよいよ事実上の選挙戦が始まった。衆議院の解散はなく、今回は参議院議員半数改選選挙のみである。
 自民党安倍総裁は、今回の争点は憲法改正であり、憲法審査会も開けない状況は問題だとする。また、金融庁の報告書(100歳まで生きるとしたら夫婦で2000万円の蓄えが必要)に対する不安は、今後の政策次第でなんとか解消できるとも述べている。
 しかし一国民の立場からすれば、今回の選挙の争点は「隠ぺい・先送り内閣でよいか否か」ではないだろうか。モリ・カケ問題しかり。統計不正しかり。先の金融庁の報告書についても選挙上都合が悪いからか、麻生財務大臣は受け取らない。野党側からの予算委員会での集中審議の要求に対し、自民党森山国対委員長は「この報告書はもうない。なくなっているわけだから予算委員会にはなじまない。」と発言し、SNS上で大きな批判を呼んだ。
 NHKで国会中継が放送されなくなっているのも気になる。法案の内容のみならず、審議の状況について国民が詳細を把握することができない。民放のように放送枠で広告収入を得る必要はない。野球中継延長の際は、別チャンネルを開放しているのであるから、せめて重要な国会審議の際には地上波別チャンネルで放送をしてもらいたい。
 ところで、国政選挙においては20代、30代の投票率が低いという。「仕事がある」「どうせ政権交代しない」「入れたい政党・候補者がいない」「政治についてよくわからない」などの理由からだそうだ。しかし「棄権」という行為は、既得権があり組織票の強い政党がやりたい放題の政治を容認することになる。本当にそれでよいのだろうか。この国の多くの「わたし」が幸福にならなければ、この国の幸福や発展などないではないか。
 憲法12条にはこうある。
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」
 さらに同13条はこう規定する。
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」
 天安門事件から30年の今年、香港では逃亡犯条例改正案に反対するデモが100万人を超えた。香港の人口の1/7の計算になる。また、この4月から山本太郎氏が立ち上げた『れいわ新選組』。自由党から離れ、ひとりで全国行脚し、街角の民衆と政策対話を続けてきた。「あなたを幸せにしたいんだ」「国民に忖度」とのポスターを持って支援を呼びかける。寄付金は627日現在で2億円に達したそうだ。寄付金額も多いのは千円や五千円だと聞いている。参議院でまた6年間、独りで茶番劇を演ずるのではなく、国会に一般国民の声を届けたいとの強い思いが感じられる。
 どうしたら生きづらさを解消できるか。前の選挙で政権与党は「国民の生命・身体・財産を守る!」と叫んでいたが、あの時よりも生きづらさは強くなっていると感じるのは筆者だけであろうか。「議員定数削減」との公約に反し、むしろ増えた今回の選挙にどう向き合うか。
 将来のための投資資金を貯めづらい有権者にとっては、税金の無駄遣いをせず国民の生きづらさを改善する政党・候補者へ投ずる一票が「幸福なわたし」をつくる一助になる。
 我が国は幸いにも普通選挙が認められる。是非、投票所へ。