みんなのコラム

「無関係」という関係

POOH

 昨日(10月27日)から始まった武蔵野美術大学・芸術祭2017では、様々な展示やパフォーマンスが繰り広げられている。

 その中に「私とジョニーは無関係だ」というタイトルの企画展がある。この企画は武蔵美、朝鮮大、藝大の3大学合同展示会である。
 「無関係」というコンセプトには、逆説的な意味が込められている。
 簡単にいうと「無関係」と言ったとたんにそれを意識する関係性が生じるという理屈である。それは絶対的にくつがえらない強固な関係なのではないか、という問題提起でもある。さらに、この企画では「特別な関係」と「日常的関係」という関係性についても考察している。

 実は武蔵野美術大学と朝鮮大学は隣り合わせに位置する隣人同士。
 日本と朝鮮は歴史的にも地理的にも、経済・文化も決して無関係ではない。それは特別な関係ではなく、普通の日常的な関係として平和共存しているのではないか、というメッセージがこの企画に込められているのではないか。

 「戦争を知らない子どもたち」の、孫世代の若者たちが、こうした企画展示をすることに大きな意義があると思う。勿論、どの作品も力作である。