off Duty

「反対」という刻印デモもある

 国葬が終わった。と言ってもテレビをLiveで見た訳でもなく、関連ニュースはスルーしていたのでピンとこない。でもひとつだけ、印象に残ったことがある。「今さら国葬が中止になるとは思わないが、反対した人がこんなにいた事実を歴史に残したいので国葬反対デモに参加しました。」と参加していた一般の女性の言葉だ。

 国葬は反対だけどアベノマスクや突然の一斉休校等安倍総理大臣のごり押しがまかり通ったんだから、今回も岸田総理の訳わかんない説明の国葬もするんじゃあない?、と友人達と井戸端LINEトークしていただけの自分がちょっと情けないなあと反省。しかし今は、生活に直結したコロナ感染者対応の方が問題だと思う。

 全国的にコロナ陽性者の全数把握を止めることが決まったが、先行して実施していた地域に住んでいる知人に聴くと大変さが半端ない。

 彼女の子どもが腹痛を訴えたので小児科に連れて行った。小児科で念のためと言われてPCR検査したところ陽性だった。小児科から保健所に連絡することはなく、親が陽性者サポートセンターと連絡を取るように言われた。保健所に連絡がいかないので自治体の陽性者にカウントはされないが、幼稚園、学校には行けない。結局、7日間自宅待機+2日間経過観察だったとか。

 その夜、他の子ども達が続いて発熱し、翌日小児科でPCR検査を受け、陽性判定が出た。深夜高熱が出たため夜間緊急診療センターに電話したが「陽性者の患者は診られないのでサポートセンターに電話してください。」との返事。サポートセンターに電話すると「こちらでは病院の紹介はできません。」と事務的に言われた。「だったらどうすれば良いのですか?」と食い下がると電話をたらい回しされた挙句「お水が飲めるなら2、3日様子を見てください。」と言われたそうだ。大人ならともかく、幼児の高熱は急変することがあり怖い。どこも頼る所がないと見捨てられたようで、不安で堪らなかったそうだ。

 幸いにも2日程経つと3人共熱が下がって腹痛も収まり、ホッとした。ところが、子ども達が快復した頃に彼女が発熱と咳、しかし同居の子ども達が陽性だと病院の受診ができない。薬局で購入した抗原検査キットで検査すると陽性判定だった。家族で1人だけでも動ける人がいた方が良いとの判断で、抗原検査キッド陰性だった夫はホテル泊りとした。もちろん費用は自腹。夫は毎日、抗原検査しながらホテルから通勤した。

 彼女は元々呼吸器が弱くて呼吸器内科に通院していた。咳が続くのでかかりつけ医に咳止めの薬を処方してほしいと連絡したが、コロナ陽性者は診られないと言われ、薬が入手できなかった。サポートセンターに電話しても「そういう対応はできません」と事務的な対応。困り果てて薬剤師の友人に電話して、いま使用中の薬の成分、症状に合いそうな市販薬を玄関先に届けてもらった。食事はママ友さん達が代わる代わる玄関先に届けてくれたそうだ。日頃の交友関係がこれほど大切で有難いと思ったことはないと言う。

 高齢者や重症患者を手厚く対応するため、医療従事者の負担を軽減することが目的での全数把握廃止らしいが、ここまで自己責任で対応しなければならないのはかなり負担だと思うし、対応できない人も出てくるだろう。子どもはともかく、大人はどこへも届を出さないで普通の風邪対策で数日間家の中でじっとしているのが得策なのかなと思ってしまう。

 私の住む自治体では26日までは市長のメッセージと共に感染者数がLINEで送られてきていたが、27日からは今後どうすると言うメッセージもなくピタッと、LINEが来なくなった。今後のコロナ対策って本当に自己責任になってしまうのかな?