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学科に「人生の危機管理科」の創設を

司 高志

 世の中は生きているだけで危険がいっぱいだ。人生どう転ぶかわからない。

 筆者は、野党をボロクソに言うときもあるが、与党には票を入れない。与野党の力が均衡していないときには、与党はすぐにおごり昂ぶり、国民を貧しくすることしか考えない。だが、どうしたわけか、いつも与党が勝ってしまう。だからどうしても、個人が生活防衛するためには、人生の危機管理が必要なのである。筆者は、人生の危機管理は、学校で教えるのがスジだと思っている。道徳などという悠長なことをやっている場合ではない。道徳では生き残ることができない。こういう弱肉強食の世の中にしたのは、与党であると考えると、本当に口惜しい。

 ところで、国民を貧しくすることを第一義としている与党が、学校でこんなことを教えるはずがない。わかっていて書くが、でもやはり学校で教えるのがスジだ。学校で教えなければ、NPO法人などでもいい。有効な取り組みがなされることを切に願う。

 では、人生の危機管理科では、何を学ぶのか? 筆者は、今のところ以下の3点であると考えている。

  • 職業に関すること。
  • お金に関すること。
  • 宗教に関すること。

 では、まず、職業に関することから見ていこう。現在のところ、新卒一括採用は、まだまだ崩されていない。ここで出遅れると大変なことになる。絶対に「時給の上がることのない職業」から人生をスタートしてはいけない。コンビニやファストフード店のバイトなどがこれに当たる。バイトは何年続けても時給が伸びることはほぼない。中小企業でもよいので、正規社員からスタートしよう。これをホップ・ステップ・ジャンプと考えて転職の足場にする。あとは、「わらしべ転職」で、体験と引き換えに、わらしべ長者のように徐々に上位を目指せ。

 もう一つ。職業で今後手ごわいのは、AIだ。AIに職業を奪われてしまうことも十分に視野に入れないといけない。プログラムが書けても安心はできない。「こういうプログラムが欲しい」とお願いすると、AIがプログラムを書いてしまう世の中になってしまうかもしれない。バグもAI自身が高速でプレイして発見し、手直しができるようになってしまうかもしれない。視野を広く持って、分野を変えながら、生き残るすべを身に着けろ。

 次はお金だ。投資してお金を増やそうとするのは、与党の思うツボだ。投資所得の倍増などと言っているが、庶民を投資に引き込んで損をさせるのが目的だ。なんといっても投資では元手がものをいう。庶民を投資に参加させて、身ぐるみ巻き上げる作戦だ。現金を持つと火災や紛失、盗難のリスクがあるので、銀行を利用するくらいの考えで、人生資金の管理をしていかないと、泣きを見るのは、元手の少ない庶民だ。郵貯や銀行だって信用してはいけない。ノルマがあって、ハイリスクの商品を売ろうと必死になっている。

 最後が宗教だ。O6真理教も初期のうちは政府筋のあたりはきつくなかったし、T1協会に至っては現在まで、政治家とズブズブに結びついて、上手に規制の網を潜り抜けている感がある。本来の仏教は、人生の苦の原因を認識し、苦からを解き放たれ、自由になるために生まれた哲学であり、その哲学を実践することにより、苦からの解放を目指す。

 政界の3大宗教の本来の意味を理解し、修行法なども知らなければ、やすやすと怪しい宗教に取り込まれてしまう。

 仏教においては、鎌倉期までに発生した宗派は、伝統仏教となっており、安心できるものが多い。江戸期の最後のころから後の宗教は、新興宗教と考えてよく、似た特徴を持つ。個の完成よりも布教を重視する。勧誘した人数により、教団内の地位が上がり、会費も高くなる。伝統仏教は社会への働き替けは少ないが、新興宗教は世間への働きかけが多い。

 伝統仏教でもN正宗は、他宗派の論破を教義にしており、勧誘手法は新興宗教に近い。また、新興宗教でも、教祖が伝統仏教で修業したので伝統仏教だ、と称しているところもあるが、実際の教義は、元の伝統仏教とは全く違うものになっているものもある。

 宗教にしても投資話にしても向こうからやってくるものは、注意が肝要だ。

 人生の危機管理はいつも心に留めておかないと、ひどい目に合う世の中になっている。なげかわしいことである。