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自転車保険の義務化がスタート

音無祐作

 ゴールデンウィークはコロナ禍真っ只中、皆さん、どのようにお過ごしでしょう。スポーツは苦手なくせに外遊びは大好きな私は、かなりストレスが溜まっております。

 今はとにかく封じ込めが大切で、用が無ければステイホームをというのは十分承知しているつもりでも、やはり運動不足も気になります。太陽にあたってビタミンDを生成しないと、ただでさえ低い骨密度がさらに下がりそうで不安でもあります。報道では海辺に集まるサーファーたちが非難されているようですが、遠方からの越境訪問はともかく、近隣の方が運動やストレス解消するくらいは許されていいような気がします。

 少し前までは、車内に閉じこもってさえいればドライブくらいは問題ないのでは、などと悠長に考えていましたが、最近では他県ナンバーの車だからといたずらされたり、石を投げられたりのバッシングもあるようです。そもそも遠出をすればトイレや休憩も必要となり、車内に閉じ籠りきりとも行かないので、感染拡大の危険は否定はできません。

 高齢ドライバーの免許返納が増えています。とっさの反応も危うく、そろそろお止めになった方が良いのではと感じる方も少なくありません。自動車運転免許の返上適齢期かなと見受ける方々の一方で、自転車には乗り続ける同年代が多いのは少し気になります。自転車運転でも、歩行者と衝突すれば相手を大けが、あるいは死なせてしまう危険性が十分にあります。年配者に限らず、子どもが歩行者等に衝突し、相手を死なせてしまい、1億円近い賠償が発生するという事例も出ています。

 あまり知られていないようですが、4月から東京都でも自転車保険の義務化がスタートしました。関東周辺では、神奈川県,埼玉県、そして長野県ですでに義務化はされており、千葉県や群馬県でも努力義務となっています。しかし実際には、「自転車保険」と銘打って保険を販売している会社はそう多くはありません。おまけに年齢制限も厳しく、多くの保険が69歳までで、ごくわずかの保険が89歳まで加入可能となっています。

 自転車保険は相手への賠償と自分のケガへの補償をセットにしていますが、自分のケガは医療保険などで何とかなるという場合には、相手への賠償だけを考えた保険でも大丈夫です。

 かんたんに加入できるものとしては、自転車安全整備店での点検整備の際に加入できるTSマークという保険があります。多くの自転車販売店で取り扱っているはずですが、店舗によって赤色マークの第2種と青色マークの第1種があります。赤色マークでないと補償内容はあまり十分とは言えないので、注意が必要です。

 さらには、住宅の火災保険や自動車保険、共済、そしてクレジットカードの付帯として加入できる個人賠償責任保険というものがあります。この保険は自転車に限らず、同居家族が起こしてしまった様々な賠償責任に対応でき、料金も月に数百円程度ととてもリーズナブルです。自転車保険の義務化にも対応しています。

 コロナ感染がなかなか収まらない中で、運動不足やストレス解消のためのサイクリングもできない状況が続きますが、義務化はされていない地域にお住まいだとしても、保険の加入をお勧めします。知らずに付帯しているというケースもあるので、ご自身の保険や共済の内容を整理しておくと、いざという時に何かと安心です。早く、のびのびとサイクリングできる日が訪れることを願います。